今、大人気の変動金利型住宅ローンですが、いざどれを選ぼうかと考えると意外に比較が難しく、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。住宅購入が一生に一度の買い物とするなら、住宅ローンも一生に一度のイベントですね。失敗は許されません。
読者のみなさまが迷いなく、自分に最適な住宅ローンを選べるよう、当サイトでは変動金利型住宅ローン選びのポイントをスッキリまとめてみました。
保証料に注意!
表面的な金利が低くても、通常の銀行では一般的な「保証料を取る」タイプの住宅ローンの場合、実質的な金利が大きく高まってしまいます。保証料は一般的に年0.2%程度、実質的な金利を押し上げるといわれています。従来型の銀行の住宅ローンの場合、ほとんどのケースで「保証料」が必要ですので注意してください。
なお、「保証料」というと何だか「保険」のようなありがたいもののように感じますが、実際には借り手には何のメリットもありません。
高額の借入手数料に注意!
保証料を取らなくても、その代わりに2%程度の高額な借入手数料が必要な住宅ローンも多いです。これは保証料とほぼ同じコストになりますので、やはり年0.2%程度、実質的な金利を押し上げることになります。いくら表面金利が安くても、借入手数料が高額でないかどうかは事前にチェックしてください。
なお、保証料は繰り上げ返済をするとほんの少し戻ってくる場合がありますが、借入手数料は当然、戻ってきません。借入期間が短ければ短いほどこの手数料が実質的な金利をどんどん押し上げていくことになります。10年や20年などの比較的、短期間の住宅ローンを借りようとされる方は、より注意が必要です。
金利優遇条件に注意!
いくら金利が優遇されるとしても、メガバンクに多いのが、給与振込口座に指定することが条件だったりする場合です。そうなると今後、簡単に借り替えることもできません。もちろん銀行からすればそれが狙いではあるのですが。
なるべく、余計な条件のない金利優遇プログラムを利用しましょう。
繰上げ返済手数料に注意!
そして、実は住宅ローン金利以上に重要かもしれないのが、繰上げ返済手数料です。将来のことがなかなか見通せない今の時代。住宅ローンを1日でも早く返済してしまいたいと思うのが一般的な感覚ではないでしょうか。
それを実現するのが「繰上げ返済」ですね。これは、毎月の返済額以上に住宅ローンを返済することで、住宅ローンを1円でも少なく減らす方法です。もちろんボーナスなどのタイミングで数十万円単位で返済するのもいいですが、習慣付けようと思えば、毎月1万円でも2万円でもいいので繰上げ返済したいものです。
しかし、その時の手数料が1万円や2万円かかるのなら馬鹿馬鹿しくてできないですね。やはり繰り上げ返済手数料が無料の住宅ローンを探したいものです。
加えて、わざわざ店頭などに行かなくてもネットで1円から返済できる利便性をもった住宅ローンを選びたいものですね。
2024年9月の「変動金利」型住宅ローン金利比較
実質金利 順位 |
金利(年利、%) | 金利 優遇 条件 |
繰上返済 | 詳細と 金利推移 |
|||
表面金利 | 保証料 (年0.2%に相当) |
実質金利 (保証料を金利換算) |
利便性 | 手数料 (税込) |
|||
変動 金利 |
変動 金利 |
||||||
au じぶん 銀行 |
0.329 |
なし |
0.329 |
なし |
|
1円から |
詳細と 金利推移 |
住信SBI ネット銀行 |
0.298 〜 0.320 |
なし |
0.298 |
なし |
|
1円から |
詳細と 金利推移 |
りそな 銀行 ※2024年9月 適用金利 |
0.340 |
なし |
0.340 |
給与振込 |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
新生 銀行 |
0.290 |
なし |
0.290 |
なし |
|
1円から 無料 |
詳細と 金利推移 |
イオン 銀行 |
0.380 |
なし |
0.380 |
WAON |
|
無料 |
詳細と 金利推移 |
三菱UFJ 銀行 |
0.425 |
なし |
0.425 |
給与振込 |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
三菱UFJ 信託銀行 |
0.425 |
なし |
0.425 |
給与振込 |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
三井住友 銀行 |
0.475 ▲1.5% 適用後※ |
あり |
0.675 |
給与振込 |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
みずほ 銀行 |
0.725 |
あり |
0.925 |
給与振込 |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
東京スター 銀行 |
1.050 |
なし |
1.050 |
なし |
|
無料 |
詳細と 金利推移 |
みずほ 信託銀行 |
2.475 |
あり |
2.675 |
なし |
|
無料〜 |
詳細と 金利推移 |
※いずれも2024年9月適用金利。年利。
※auじぶん銀行:年利。変動金利は全期間引き下げプラン。それ以外は当初期間引下げプラン。保証付金利プランの場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定。審査の結果、保証会社を利用の場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途支払う保証料はありません。
※住信SBIネット銀行:審査結果により0.1%上乗せとなる場合がある。
※りそな銀行:金利は毎月見直し。金利引下げ幅はりそな銀行所定の審査により決定。一部繰上返済はWEBコミュニケーションサービス「マイゲート」の利用が条件で無料。全額返済取扱いは不可。保証料は顧客負担0円だが、事務取扱手数料55,000円(税抜)、融資手数料借入金額×2.20%(税込)が必要。いずれも詳細については公式ホームページを確認。
※三井住友銀行:保証料内枠方式の場合、保証料外枠方式に比べ融資利率が年0.2%〜年0.8%高くなる。
(2024年9月1日現在。金利等は当サイト調べ。最新の金利は各銀行のHPでご確認ください。)
最後に、管理人が感じる住宅ローンのツボを4つご紹介します。
1つ目は
・住宅ローン審査は結構不合格になる
という点です。こればっかりはそれぞれの銀行で審査基準がありますので、受け入れざるを得ません。特に景気が悪い時には銀行が保守的になり、思った以上に審査が厳しくなる場合も考えられますね。
2つ目は
・人気の銀行の場合、審査に結構、時間がかかる
という点です。どうしても住宅ローンは長い間利用することになりますので、人気がある銀行に申込が集中しがちです。運が悪いと1ヶ月も2ヶ月も待たされるかもしれません。
3つ目は
・審査に通ったからと言って「借りないといけない」というわけではない
という点です。無事、審査に通れば借りてしまいたくなるのが人情ではありますが、実は借りないといけない、というわけではありません。場合によってはいくつかの銀行の審査を通しておいて、最終的に1つの銀行を選ぶ、ということもできるわけです。
4つ目は
・申し込むのはタダ
という点です。審査にどれだけ人件費がかかろうとも、住宅ローンというのはお金を借りなければ一切、費用がかかりません。
ということで当サイトからの最後のアドバイスとしては
・なるべく早めに、目ぼしい住宅ローンを複数、申し込んでおく
ということです。そうすれば審査に落ちて慌てることも、振り込み日に間に合わなくなってガッカリすることもなくなりますね!
住宅ローンは一生に一度のイベントですから、「こんなはずじゃなかった」なんて後悔しないよう、なるべく「保険をかけておく」というのが、より賢い方法なのではないでしょうか!